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# 北海道地名の「上中下」 (2013.9.11.掲載) Tweet


※2015.9.6. 再掲時別注

 本記事掲載後,北海道以外にも同様の例があるのではとのコメントをいただいた.確かに複数存在するようです.あくまで北海道はこの名付け方が主流という話としてご覧下さい.


通常,地名における「上下」は「京都(上方)」に近いか否かで決まる.

京都に近い方が「上」,遠い方が「下」である.
さいたま市内のウチの近所でも,中山道で京都寄りにある北側の町名が「上○○」を名乗っている.

近年は東西南北を用いて「東○○」や「南○○」という地名を付けるのが一般的だが,
旧来は「特定の地域を分割する際」は上下で分けるのが当たり前だった.

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北海道に「上砂川」という町がある.
かつて函館本線の支線の終点があって鉄道に造詣が深い皆様方におかれましては馴染みのある地名でもあるかと‥という土地.
この上砂川は,砂川の更に山に分け入った場所にある.

「富良野」という町は全国的にもあまりにも有名だが,
その先に「中富良野」「上富良野」という町がある.
そもそも中心都市「富良野」の先に「中富良野」とは??

鉄道ファンならかつて存在した路線,
天北線に「中頓別」「浜頓別」
名寄本線に「上湧別」「中湧別」「湧別」
渚滑線に「上渚滑」「中渚滑」「下渚滑」「渚滑」
という駅名が連続していたのを記憶している人も多いかもしれない.

上記いずれも,よく考えてみると
「上方に近い方が『上』」という内地の常識からは外れている.
他にも北海道には特に「上○○」という地名が多いのだが
いずれも○○より山奥にあるのが通例.

 

以前,「上川郡」「中川郡」の命名の由来で紹介したコトがあったのだが,
実は北海道の上中下の地名は

  川の上流・中流・下流

に由来する.

つまり,「○○川」の上流にある地名は「上○○」になる.
そして「○○川」の最下流にある地名が「○○」となる.
それより上流であろうが,○○川の下流よりであれば「下○○」である.

大きな例で言うと,石狩川,天塩川の河口にある町は「石狩」「天塩」.
その上流が「上川」となったワケだ.

そして小さい川沿いの細かい地名となると,上○○が使われる.

渚滑川も,上流から「上渚滑」「中渚滑」「下渚滑」「渚滑」となるワケだ.

 

特に上○○に関しては,
「上羽幌」「上遠別」「上砂川」「上歌志内」「上野幌」「上美流渡」

今まで散々触れてきた地名だけど,あまり気にしなかったなあ(笑)

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